㉗宝石屋さんが【エンハンスメント】とか【トリートメント】といいますが、いったい何の事ですか?

Answer

宝石に行われている種々の処理を、その内容から分類した評価の基準です。

平成6年(1994)の6月1日から平成16年(2004)の8月31日の間、日本の鑑別業界では、鑑別書に下記のような表記を行いました。

上がエンハンスメント、下がトリートメントに相当する宝石に対して表記分けしたものです。

例)天然ルビー…天然ルビーには一般にエンハンスメントが行われています

例)天然ルビー(処理石)…色素による着色を認む

処理を施すという意味では、双方共に同じものです。

現在では科学技術が発達したおかげで、宝石にもその美しさを引き立てる方法が多く研究されています。

その試みはすでに古代から行われていました。

多種ある宝石の中には採掘された原石をカットしただけのものもありますが、多くのものには何らかの加工(処理をするといいます)が施されているのが現実です。

ある時期から、日本の宝石業界では、宝石に加えられているそれらの処理を分類して評価することになりました。

そこで用いられた方法は、処理をその内容から「①エンハンスメント enhancement」と「②トリートメント treatment」の2つに区分するというものでした。

直訳すると、①には“高揚・増進”という意味が、②には“治療・処理”という意味があります。

しかしその内容に当てはまる適切な日本語がありません。

そこで①を“改良”、②を“改変”と和訳しました。

①は宝石という石が潜在的に有している個々の差異を調整して価値を改善する試みと解説し、②は潜在していないものを後から付け加えるというものです。

①の技法の中には古くから行われてきたものも多くあり、②の中には科学技術の発達に伴い開発された技法もあります。

以前はそれらの技法の全てはトリートメントという呼称で統一されていました。

しかし宝石に行われる処理が多くなりすぎた為に、それを技法の内容と程度で区分けして、宝石にとって容認できる処理(①)と出来ない処理(②)とに線引きして評価したのが[エンハンスメント・トリートメント方式]です。

豆知識

人工的に成長させた合成宝石とは違って、天然産の宝石は大袈裟に言えば2つとして同じものはありません。

結晶の中には種々の欠陥が存在していて、それが色の不均一性やインクルージョンを形成する原因になっています。

その結果がマーケットの中では、宝石の価格の差となって反映されます。

そこで、その欠点を人為的に調整する方法が古くから研究されてきました。

現在宝石類で確認されているそれらの技法には、下記の様なものがあります。

この中で、①~⑧は古くから行われてきた方法、⑨~⑬は近年になり開発された方法として知られています。

《宝石に行われる処理の例》

ペインティング painting 塗装
ダイイング dyeing 染色
ステイング staing 着色
ブリーチング bleaching 漂白
コーティング coating 表面被覆
インプレグネイション inpregnation ワックス含浸
オイリング oilling 油含浸
ヒーティング heating 加熱
スタビライゼーション stabilization 樹脂含浸
イラディエーション irradiation 照射
レーザリング lasering レーザ加工
インサイド・ディフュージョン inside diffussion 内部拡散
サーフェス・ディフュージョン surface diffussion 表面拡散
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