KINGDOM キングダム
先日、『KINGDOM キングダム』を観てきました。
考察
大人気の漫画も一度も読んだことはなかったのですが、元々、大の歴史好きなので楽しみにしていました。
個人的に中国史で一番好きな時代は、有名な「三国志」と言いたいところなのですが(確かに面白いのですが)、私は断トツでその前の時代の「項羽と劉邦」の時代です。
勇猛無比で百戦錬磨の貴族の出の項羽と戦下手だが人徳により人に恵まれたゴロツキあがりの劉邦の戦いです。
項羽と劉邦の話は止まらなくなってしまいますので話を戻します(苦笑)
キングダムの時代背景は、その項羽と劉邦の一つ前の時代です。
皆様、ご存知の通り、史上初の中国統一王朝を実現した秦の始皇帝＝嬴政(えいせい)が王になるまでの時代です。
キャストと心に響いた言葉です。
嬴政の吉沢亮さんですが、主人公、信(しん)の幼馴染の漂(ひょう)としての優しい人懐っこい表情と王たらんとする凛とした嬴政の時の眼光鋭い表情の一人二役が見事でした。
漂が嬴政の身代わり(おとり)として脱出する際、漂は「将」嬴政として全軍を奮い立たせます。
その時ほんの一瞬でしたが、漂は信と誓った天下の大将軍になれた時だったのではないでしょうか。
「国境をなくすこと、それは(民族が入り乱れて争いが激化することではなく)争いをなくすこと。」
「(信:待たせたな。)待ちわびたぞ。」
「元々俺とお前(成蟜(せいきょう))の兄弟喧嘩だ、ケリをつけよう。お前はヒトの痛みを知るべきだ。」
「目指すは中華の唯一王だ。」
主人公の信の山﨑賢人さんは今回の戦争孤児という設定のために体重を10キロ落として撮影に臨まれたそうです。
兎に角、真っ直ぐで不器用ながらも直観で突進していくタイプの信の野心溢れる感じを全身で表現されていて最高でした。
「夢が叶わなかった奴らの夢を叶えてやれよ！」
「信、また後でな(必ず生きて待ってろよ)！」
「(敵将:戦場に夢なんて転がってないんだよ。)夢をみて何がわるい、夢があるから立ちあがれる、夢があるから前に進める、夢があるから強くなれる。」
「待たせたな。(嬴政:待ちわびたぞ。)」
「俺はいずれ天下の大将軍になる男だ！」
そしてそして我らが長澤まさみさんの楊端和、あまり予習をせずに観にいっていたのはあったのですが、まさかまさかあの❝山界の死王❞の中身だったとは！
これがホントの、驚き桃の木山椒の木でした(笑)
あの仮面を取った時の衝撃たるや！
めちゃくちゃ美人でした！！
そして、1日1回、寸止めの素振りを100回したという殺陣・・・
美しく、強い、強く、美しい、圧巻でした！
「我が山の王、楊端和である。」
「存分に楽しもうではないか。」
「矢ごときに屈する我らではない。」
王騎を演じた大沢たかおさん、80年から90年に空前の個人旅行ブームを起こした「深夜特急」からずっとかっこいい俳優さんだなと思っていた方です。
役づくりは凄まじく、今回も屈強な肉体を持つ王騎を演じるために肉体改造を行い、体重を15キロ増やしたそうです。
率いる大軍の前を、堂々と馬にまたがり進む姿はまさに大将軍でした。
「戦とは国内でするものではありません。中華でするものです。」
「また、アツイ時代が来ようとしているのかもしれません。童、信、次は本物の戦場であいましょう。」
本郷奏多さんが演じる成蟜は、正統な王族の血を引いている我こそが王にふさわしいと異母兄弟の嬴政に反乱を起こします。
その人間の醜い部分を言葉と表情、態度、全てで表現されていてほんっとに腹立たしくてイヤな感じでした。
本郷さんは、観客に「ムカつく」と思わせる演技を意識していた、とのことなのでマンマとヤられた形になりました。
お見事です。
「馬鹿が首を差し出しにきたわ。」
「虫ごときがこの私に口をきいてきたから死罪、虫ごときが私と同じ空気を吸っているから死罪。」
橋本環奈さんの河了貂(かりょうてん)、映画館のグッズ売り場で可愛らしい何をモチーフにしたのかわからない謎の動物らしき大きなぬいぐるみがありました。
映画が始まり、スクリーンに出てきた時は少し笑ってしまいました。
ですが、被り物を取った時の橋本環奈さんがこれまた可愛いのなんのって。
ピッタリの役だったと思います。
「これがオレの戦闘服だ。」
嬴政の忠実な部下、昌文君を演じた高嶋政宏さん、いい味が出ていて渋かったです。
「全ては奴(王騎)の盤上の駒。」
嬴政や楊端和がそれぞれ大将として時々の相手と折衝している姿はまさにリーダーのあるべき姿だったと思います。
物語はお互いがお互いを信じて、目的を達成させること。
何よりも、とてつもなく大きな夢でもただそれだけを目指して邁進することの強さ、を教えられました。
日本でも有名なクラーク博士が言ったあの言葉の通りですね。
Boys be ambitious !! 少年よ大志を抱け!!
また、主題歌のONE OK ROCKの『Wasted Nights』が高ぶる熱い感情にシンクロしてドンピシャでした♪
映画を観た翌日の朝は雨でした。
会社からの帰り道、雨はやんでいました。
私の右手には傘、否、剣が(笑)
辺りを一応確認し、ふぉ～っと心の中で叫びながら剣(傘)を振り回している自分がいました。
(ヤバイ奴ではないのでご安心を)
自分の夢は何だったかな。
そんなことを考える今日この頃です。
皆さんの夢は何ですか？
