Answer
宝石の市場でこの名前で呼ばれているものは「トクサヤギ」というサンゴを着色したものです。
原木にある節の部分から“トクサ”という名前が付けられました。
山サンゴという名前は比較的最近になって頻繁に使われる様になりました。
何となく以前からあった様な気がしますが、誰が何を根拠にして呼び始めたのかわかりません。
この名前は中国の山間部やチベットでも使われています。
正体は、八放サンゴの中の『トクサヤギ Keratoisis』という白やクリーム色のサンゴを着色したものです。
しかし、八放サンゴに分類されるサンゴと言っても、アカサンゴやベニサンゴで知られる[貴重サンゴ]の仲間ではありません。
山サンゴの名前が使われている中国の山間部からチベット辺りの人々が、宝石サンゴというものを知ったのは7世紀頃のことです。
インドからチベットに仏教を伝えた僧侶がサンゴで作った数珠を用いていたと言われています。
そのサンゴは地中海のベニサンゴ(Corallium rubrum)という種類ですが、それはかなり高価なもので、下級層の信者は仏教を信仰しても本物のサンゴの数珠を使うことはできません。
最初は山中にあるサンゴの化石や大理石を赤く染めて代用品を作ったと考えている学者もいます。
そのうちインド洋で見つかった本物の白やクリーム色のサンゴがチベットへ持ち込まれると、それをベニサンゴの様な真っ赤な色に染めたのではないか、と考えられています。
山で染められたサンゴという意味で、誰いう事無く山サンゴと呼ばれたのではないでしょうか。
その素材がトクサヤギだったのです。
豆知識
トクサヤギとは、植物の木賊(とくさ)にその形が似ているところから呼ばれたものです。
特有の節を竹に見立てて『海竹うみたけ』とも呼ばれます。
最初に作られた山サンゴ(着色トクサヤギ)は地中海産ベニサンゴをモデルにしていたので、真っ赤に染められましたが、現在の宝石市場に流通しているものは、ボケサンゴやモモイロサンゴを模倣してピンク色や朱が強い赤色に染められています。
とてもきれいに着色されているのでサンゴを扱いなれた人でも、うっかり本物と間違えてしまうことがある様です。
このトクサヤギ、1970年代初頭はそのままの色で磨いたり、漂白したりして、シロサンゴの代用品として使われていました。
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