㉚【放射線】で【着色】した宝石は放射能を持たないのですか?

Answer

照射処理をした石のすべてが放射能を持つわけではありません。

放射線の種類と特質を知る事が大切です。

鑑別の現場では宝石の着色のシステムを知った上で科学的に検査を行っています。

宝石に対して行う処理の中で、放射線を照射するのもその一つです。

この方法は処理の歴史の中ではもっとも新しいもので、1895年にドイツのヴィルヘルム・レントゲンがX線を発見し、翌1896年にはフランスのアンリ・ベクレルがα線を発見してから、それを宝石に照射して着色しようとする試みが起こります。

1904年に、イギリスのウィリアム・クルックス卿がラジウムの化合物中にダイアモンドを埋め込んでグリーンに着色する事に成功します。

それまで多くの人が加熱等あらゆる方法でダイアモンドの着色に挑戦しましたが、誰もが成功を見ませんでした。

彼の使った方法はラジウムから放射されるα線に1年という長い時間ダイアモンドを曝し続けるというものでした。しかし石のヒビの中にラジウムが入り込んでしまい、そのダイアモンドは現在も強い放射能を持っています。

現在この方法は行われていませんが、多くは他の放射線源から出る放射線に宝石を曝す事が行われています。

今日の照射処理のほとんどは宝石を放射化することはありませんが、中性子を照射して着色した場合には宝石を構成する原子やそこに含まれている不純物原子の種類によって、その宝石に放射能を持たせてしまっている可能性があります。

鑑別の現場ではその事を念頭に於いて絶えずチェックを行っています。

豆知識

放射線は大きく、①アルファ(α)線、②ベータ(β)線、③ガンマ(γ)線、④中性子(n)線に分けられます。

その内①②は素粒子のエネルギー、③④は光波のエネルギーです。

それぞれは、照射される物質を構成している原子に到達した時に、そのエネルギーに準じた働きをします。

通常では、①②③は衝撃された原子の一部を変化させ、④は原子そのものの性質を変えてしまいます。

その結果生まれた新たな放射性の原子を「ラシオアイソトープ radioisotope(放射性同位体)」といいます。

その事は、2011年に起こった日本の原発事故により広く知られる様になった「セシウム137」がひとつの例です。

新しく作られた同位体はその内容によって、新たにα線やβ線、γ線を放出しながら、さらに新しい嫁婿原子へと、数秒から億年の単位で変化します。

その時期を[半減期]と呼びます。

Sv(シーベルト)は、人体が放射線を浴びた時に人体に影響を及ぼす放射線の量を示す数値の単位です。

ICRP(国際放射線防護委員会)では、一般公衆の放射線被曝の防護規定レベルを、自然界からの放射線と医療行為による放射線の被曝を除いて、年間1mSvミリシーベルト(mSv/y)としています。

この値を1時間あたりの放射線量に直すと、約0.114μSv/hマイクロシーベルトとなります。

自然の放射線量は、東京の場合、約0.030μSv/h位です。

参考までに、胃のX線撮影の被爆量は1回0.6mSvです。

これは外部被爆の場合で、内部被爆はその比ではありません

照射された石の放射能レベルが基準値以下の低いものであったとしても、石擦れ等によって生じたその石の粉が口を経由して体の中に入る事は避けなければなりません。

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