Answer
それまでトルマリンには存在しないと考えられていた色の結晶が発見され、高価格で取引される様になりました。
1988年以前には宝石の市場に存在していませんでした。
豊富なカラー・バリエーションを持つ事で知られる宝石種にはいくつかのものがあります。
スピネル、コランダム、ガーネットをはじめとして、トルマリンもその代表として知られています。
トルマリンはスピネルの次に豊富な色を持つ事で知られていましたが、1989年になりヨーロッパの宝石市場にそれまで知られていなかった鮮やかな色をもつトルマリンが登場しました。
その時を境としてトルマリンには存在しない色がなくなり、トルマリンは宝石の中でトップ・クラスの色のバリエーションを持つことになりました。
そのトルマリンの色とはトルコ石のブルーで、ブラジルのパライバ州東北部のサンホセド バタリャという小さな村で結晶が発見されました。
その色は、この鉱物では考えられなかった特殊な環境で結晶したもので、銅(Cu)・イオンを含んでいます。
そこで発見地の名前をとって『パライバ・トルマリン Paraiba tourmaline』という名前で呼ばれる事になりました。
その鮮やかな色味は特別に[イルミネーション・カラー illumination color]という幻想的な名前で呼ばれて、小さな石でもかなりの高価格で取引されています。
豆知識
銅が発色の原因となるほどの量が含まれているトルマリンは、1989年以前の宝石業界では知られていませんでした。
それは正に世紀の発見と言えるものでしたが、間もなくパライバ州の隣のノルテ州との境界でも同様の結晶が発見されました。
そこで「パライバ・カラー」という通称名が生まれましたが、2001年になるとアフリカのナイジェリアで、さらには2005年にはモザンビークでも同様の石が産出することになります。
そこで、全てをパライバ・トルマリンの名前で呼んで良いものだろうか、という疑問が生じました。
結局、“銅の含有の確認をもってパライバ・トルマリンの名称で呼ぶ”という基準作りができました。
しかし複数のパライバ・カラーの中で、やはり本家ブラジルのものがその美しさを誇ります。
この新種のトルマリンは鉱物学的には【エルバイト Elbaite】という種類に属します。
時に【リディコタイト Liddicotite】という種類の場合もありますが、双方のトルマリンは1つの結晶の中に交互に存在している場合もあります。
銅イオンの量でブルーの色合いが決まり、それに伴うマンガン・イオンの取り合わせでバイオレットやパープルといった色になります。
それを加熱処理してもブルーの色に変化します。
パライバ系のトルマリンには小さなヒビが多く見られますが、加熱処理もヒビの発生に影響していると考えられています。
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