Answer
着色していないアゲートはかなり多く流通しています。
今ではむしろその方が多いくらいです。
簡単な識別のポイント:複雑で微妙な多くの色の繰り返しを、人為で着色することは難しいです。
自然の芸術には人智はとうてい及ばないと思います。
アゲートやカルセドニーが人為的に着色されている事は、宝飾業界では周知の事実です。
しかしそれは全ての石には当てはまりません。
アゲートやカルセドニーは、目では見えない微細な隙間を持っており、そこに鉄分などが入り込む事により赤や褐色になります。
代表的な色が褐色で『サード Sard』と呼び、より赤くなると『カーネリアン Carnelian』という名前で呼ばれます。
近年アゲートの構造が解明され科学技術が発達し、その隙間の部分に鉄や他の金属の化合物を含む液体を染み込ませて着色する事が可能になりました。
最初に再現された色は古代からもっとも貴重に扱われたカーネリアンの赤でしたが、今では、橙色、褐色、黄色、緑色、青色、紫色、そして黒色と、カラフルなアゲートが作り出されています。
作り出される色は天然に形成された色をモデルにしており、商品として価値がある場合に限り、人工的に再現されます。
着色は単純な色の組み合わせや一色のものほど簡単に行え、多数の色の組み合わせや複雑な模様を持ったものほど困難になります。
宝石ブームで、産地も拡大して世界中からこれまでにない天然色の見事なアゲートが発見されています。
特にビーズ類の人気は高く、カラフルな美しい模様を持ったアゲートが輸入され日本でも多く販売されています。
豆知識
前述したように、メノウやカルセドニーの中には無数の隙間が存在しています。
その様な構造を専門的には[潜晶質(せんしょうしつ) cryptocrystallinクリプトクリスタリン]といいますが、その組織は珪酸分を含んだ水の中から結晶が沈殿する際に形成されたものです。
アゲートは、その沈殿の周期が目視的な縞となって見えるものです。
これは沈殿の条件が次々と変化したことを物語っています。
カルセドニーはその条件変化が小さく、その為に目視的に周期の模様が顕在化していません。
双方共に、電子顕微鏡を使い原石の組織を高倍率に拡大してみると、縞目と垂直の方向に細かな石英の繊維状の結晶が並んでいて、その間にさらに微細な隙間が存在しているのがわかります。
天然のカラー・アゲートはその部分に入り込んだ金属成分が発色したものですが、その様な状態にないアゲートやカルセドニーは、その部分を利用して人工的に着色します。
その様な目的に使用する原石は、色がなく良質のものでなくてはなりません。
美しいかそうでないかは別として、色が付いている、付いていない、という点で見ると、色を持っている原石の方がはるかに多いので、着色に使用できる色のない原石は大変に少ないというのが本当のところです。
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