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モルダバイトは、隕石が地球に衝突した衝撃で地上の物質から形成されたものです。
モルダバイトは、あらゆるテクタイトの中で個性的な縮緬皺(ちりめんじわ)が特徴です。
パン皮状とも称されるこの外観は、隕石の衝撃のすごさを物語っています。
隕石が地球に衝突すると、衝撃波を始めとするかなりのインパクトを与えて、大きな爆発を伴って地表の岩石や土壌を粉砕して跳ね飛ばします。
それは水面に石を思い切り叩き付けた状態に似ています。
跳ね飛ばされた地表の物質は、衝突の際の極度に高い圧力と温度により瞬時に溶融し、吹き飛ばされながら蒸散しますが、残った部分が大小のガラス滴となりながら冷えてかなり遠くまでばら撒かれたように飛ばされます。
生じたガラス滴は、表面が溶融した状態から、大きく「テクタイト(Tektite)」と呼ばれています。
『モルダバイト Moldavite』という名前は、そのテクタイトが発見された場所であるチェコの川がドイツ語でMoldau(モルダウ)と呼ばれていることに因んでいます。
モルダバイトは、各種のテクタイトの中でかなり個性的なグリーンをしています。
ボトル・グリーンと例えられるくすんだ緑色が特徴で、その不思議なグリーンが神秘的に見え、古来より様々な誕生秘話を生んできました。
豆知識
モルダバイトの故郷は今のドイツ南部のネルトリンゲンです。
およそ1500万年前にその地に落下した隕石はリース・クレーターと呼ばれる隕石孔を形成し、跳ね上げられた地表の岩石は空中で急速に溶け、ガラス滴となって、そこから250kmも離れた場所のモルダウ川の周辺にばら撒かれました。
そのガラス滴の表面には、飛翔中に大気との摩擦で生じた“ディンプル”と呼ばれる特有の凹凸が生じ、その溝の中に無数のスジ(飛翔痕)が形成されていることから、かなりの高速で飛散した事がわかります。
他の国のテクタイトにも特徴的な名前が付けられていますが、ほとんどは黒色で不透明です。
しかしその中でモルダバイトだけは独特の色を持っていて、内部の構造もかなり特徴的です。
モルダバイトの外形は滴状や棒状を始めとして、円盤状や算盤玉状、球状のものもあり、それらの多くの特徴から、ネルトリンゲンに落下した隕石はかなり特殊な衝撃状態を作り出したと考えらえています。
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