㉑【ペリステライト】と【ムーンストーン】はどこが違うのですか?

Answer

光学効果の根本的な違いから区別されたもので、鉱物種としても双方に違いが見られます。

反射光の青の強さに違いがあります。

『ムーンストーン』は、インドやスリランカで産出したものが古くからヨーロッパに持ち込まれていました。

表面にほんのりとブルーがかった乳白色の光の反射を見せる宝石で、まだ鉱物という知識がなかった時代にはとても不思議な石でした。

17世紀の初頭には“月の様な石”という意味で、ギリシア語の「セレニテス selenites」を語源として呼ばれました。

18世紀も終わり頃になると、ドイツのウェルナーがそれを「Moddestein」と呼び、時代が下がると、それまでは闇の中だったこの石もその正体が解明され、長石という鉱物の一種である事がわかってきました。

ペリステライト Peristerite ですがウェルナーが Moddestein と呼んだものとは異なります。

青味が強く輝くという特徴があり、そこから“ブルー・ムーンストーン”の愛称で呼ばれて流通しています。

しかしこの石も古くから知られていたもので“ピジョン・ストーン”とか“カナダ・ムーンストーン”という愛称で呼ばれていました。

その名前はギリシア語の“鳩(Peristera)”で、鳩が首をかしげた時に羽毛が光る様に似ていることから来ています。

しかし日本の1鑑別機関が、古来からのムーンストーンとペリステライトの双方の鉱物種名と光り方の違いを比較して、異なるものという発表を行った事からその名前が物議を醸す事になりました。

まだペリステライトの産出が少なかった時は愛称で呼ばれていても問題は生じていませんでしたが、タンザニアで同種の石が大量に発見された時点から、少し事情が違い始めました。

しかし、本来ムーンストーンの名前自体が正式な鉱物名称ではないので、ペリステライトはムーンストーンでも良かったのです。

豆知識

最初にムーンストーンの名前が生まれた石は「オーソクレース Orthoclase(正長石)」の光学変種です。

岩石中でオーソクレースが結晶する時に、同時に含まれていた別の長石成分が、その組織構造の間に、まるでサンドイッチのハムの様に平行に無数に成長したものです。

ハムに例えられるのは「アルバイト Albite(曹長石)」です。

双方の長石は成分が違うだけでなく、屈折率や結晶の構造が異なっている事から、長石の中に入った光がその境目で散乱という現象を起こしてボーッと青白く光ります。

その光を宝石用語では[シラー schiller]といいます。

一方ペリステライトの方は、「アルバイト」を主として「オリゴクレース Oligoclase(灰長石かいちょうせき)」という長石が組み合わされています。

ちなみに「レインボー・ムーンストーン」と呼ばれるものがあります。

これはラブラドライトやアンデシンという長石の光学変種です。

光る原因は前2者とは大きく異なり、虹の様な多彩な色の輝きを示します。

しかしムーンストーンの名前の語源から考えていただくと分かる通り、その光り方は月の光に例えられるものではありません。

したがって、名前の前後、つまりレインボーとムーンの間には互換性が存在しませんので、宝石名としては誤りです。

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