Answer
今日では装飾用には多くのサンゴが使われるようになりました。
しかし古くから宝石サンゴとして使われてきたのは特別の種類のものだけです。
宝石に興味のない人がサンゴという名前を聞けば、まず多くは海岸に広がる“珊瑚礁”を思い浮かべると思います。
ひょっとしたら、桃太郎の昔話を知っている人は鬼ヶ島から持ち帰ったサンゴを思い浮かべるかも知れません。
サンゴは生物学で[刺胞しほう動物(旧名は腔腸こうちょう動物)花虫鋼かちゅうこう]に分類されている微小な生物の集団が形成した硬い骨格として知られています。
サンゴは、かつての地球の長い歴史の中で複数のものが棲息していましたが、その中のいくつかのものは古代に絶滅してしまっています。
現代に生き残っているサンゴは[八放サンゴ亜綱あこう]と[六放サンゴ亜綱]という大きな2つのタイプに分けられています。
それらの中から11種類程度のものが装飾品として使われていますが、古くから宝石サンゴと呼ばれているものは前者の中の[ヤギ目もく]に属している種類で、その中のさらに[貴重サンゴ Corallium nobile]として分類されているものです。
桃太郎が鬼ヶ島から持ち帰ったサンゴはこれです。
もちろん御伽噺の中での事ですが、それはモモイロサンゴとかアカサンゴと呼ばれているものです。
一方珊瑚礁を形成しているものは六放サンゴ亜綱に属している方の種類で、イシサンゴ目に分類されています。
こちらの方は硬いわりには緻密性に欠け、脆くて宝飾用に加工される事はほとんどありません。
豆知識
今日の宝飾市場には、貴重サンゴに分類されている以外のサンゴ製品も流通しています。
八放亜綱のヤギ目の中にはゴールド・コーラルと呼ばれる『キンヤギ』と、アップル・サンゴの名前で呼ばれる『イソバナ』、そしてバンブー・コーラルの名で呼ばれる『トクサヤギ』があります。
さらに八放サンゴ亜綱の中のアオサンゴ目にはブルー・コーラルと呼ばれる『アオサンゴ』も知られています。
ハワイの名産として知られるクロサンゴは『ウミカラマツ』と呼ばれ、六放サンゴ亜綱のツノサンゴ目に分類されています。
この様な多種類のサンゴが装飾用に使われる状況の中、貴重サンゴに分類される8種類のものは特別な価格で取引されています。
なぜそれらのものがこれまで特別な宝石として認められてきたかというと、加工された時の群を抜く美しさと、採取の困難さが特別な希少価値を生んだからです。
その貴重サンゴに分類されている8種類とは「アカサンゴ」「モモイロサンゴ」「シロサンゴ」「ベニサンゴ」を代表として、「ボケサンゴ」「深海サンゴ」「ガーネット」「スカッチ」と呼ばれるものです。
その中でベニサンゴは『故渡り珊瑚(こわたりさんご)』という別名でも呼ばれています。
地中海に棲息するサンゴで、シルク・ロードを通り、遠く日本にまで伝えられたことから“胡国渡りのサンゴ”という意味を持っています。
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